「いらっしゃいませ」
ホストクラブ初体験のかをりにとっては何もかもが別世界であった。 世の中にこんな美味しいお酒を飲ませてくれる場所があったのか。 そして今までガサツで、金で女を抱くことしか頭にない 男ばかりを相手にしていたかをりにとっては来る男、 来る男そのすべてが素敵に見えた。 その中でもケンという男はとくにかをり のハートをつかんだ。 矢吹ケンというホストはルックスがメチャクチャいいと いうわけではなかったが、聞き上手で、細かい気配りができる男だった。 #
by kb1986
| 2006-09-20 16:07
| 第二章 希望
東京に出てから3ヶ月が過ぎようとした頃、
かをりの未来を左右するような出逢いが訪れる。 ある日、お店がひけてから同僚の由香さんから 飲みに行かないかと誘われた。 決して付き合いのいい方ではないかをりであったが、 そう毎回断るのは忍びない。 そして由香に連れて行かれたのが歌舞伎町のホストクラブであった。 #
by kb1986
| 2006-09-19 18:42
| 第二章 希望
21歳で上京したかをりだが、今度は吉原のソープランドで勤務することになった。
ブランド物のバッグやアクセサリーなどもそこそこ買うようになってはいたが、 住んでいるのはお店で用意してくれた寮のマンション。 普通に借りれば敷金やら保証金がかかるので、 そんなところでとくに贅沢したいとも思わなかった。 むろん貯金が趣味というわけでもなかったが、 こんな仕事を続けられるのも若いときだけ。漠然とした 夢だったが、将来は自分で花屋とかコーヒーショップ なんかができればいいな。と考え始めたのだ。 #
by kb1986
| 2006-09-19 03:42
東京・・・
それは想像していたよりも ずっと、大きく、都会的で、魅力的で、そして人の多い場所だった。 かをりにとって本格的に一人暮らしをするのは初めて。 移り住んだのは、新宿区にある某マンション。 家賃は月12万円と高いが、保証金や敷金などがいらないことを 考えたらこんなものだろう。 この殺風景な部屋にどんな未来がまっているのかと 期待は弾むのだった・・・ #
by kb1986
| 2006-08-13 14:52
もう温泉旅館に未練などはなかった。
すぐに出て行こうと決めた。 旅館を出るとき女将さんが「餞別だよ」と、 わたしてくれた封筒を開けると百万円の札束が入っていた。 貯金もすでに2百万円ほどあったので、 札幌での新生活も何の問題もなく始められる。 次の勤務先はすすきののソープランド。 かをりの入店したお店は1時間2万円以下の 大衆店ではあったが、面白いように客が入った。 やはりこういう店で二十歳未満というのは 客にとって魅力なのであろう。浪費癖もなく、 大した趣味も持っていないかをりの 預金通帳は見る見る金額が増えていく。 それから3年後東京へと出て行く頃には3千万円という大金を手にしていた。 #
by kb1986
| 2006-07-20 13:34
| 第二章 希望
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