vol.22
「あたしも何度か逃げようかと思ったんだけど、
大概駅に向かう途中か、駅で連れ戻されちゃうのさ、 不思議だよね」 この片田舎の狭い街の中で誰かが 監視しているのだろう。 また、この街を脱出したところで かをりには佐賀の施設しか帰るところは無い。 どうせ帰ったところでまた旅館に戻されるのがオチなのだ。 かをりは諦めることにした。 どうせ社会に出たとしても中卒で なんの取り得もない自分には まともに働ける場所などありはしないだろう。 それなら、ここで売春婦として生きていくのも 悪くはないかもしれない。 そんな風に考えて自分を納得させるのだった。
by kb1986
| 2006-07-15 01:35
| 第一章 夢
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